『不動産フォーラム21』 今月の表紙
(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。
『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
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2009年10月号 丸の内パークビルディング・三菱一号館
丸の内の青い空に湾曲したファサードと煉瓦色の建物がよく映える。日本を代表するオフィス街である丸の内で今年の4月に丸の内パークビルディング・三菱一号館が竣工した。
丸の内では、鹿鳴館を設計したことでも知られるイギリス人建築家コンドルの設計により1894年(明治27年)に三菱一号館が完成し、それを機に次々と煉瓦造のオフィスビルが建設された。のちに「一丁倫敦」※)と呼ばれるようになり、今日のオフィス街の骨格を形成した。
当事業の特徴は、いうまでもなく1968年(昭和43年)に解体された三菱一号館の復元である。当時の設計図、実測図、保存部材を使用し、さらに往時と同じ製法で生産した約230万個の赤煉瓦を用いることで明治・大正期の姿が忠実に再現された。予定通り来年4月に美術館として開館すれば、丸の内の新しいランドマークとなるだろう。
そのほか、日本最大級となる1,000坪超の無柱オフィス空間、建物に囲まれた内庭型広場、周辺ビルと繋がる地下歩行者ネットワーク等も売りである。



物件名称 : 丸の内パークビルディング・三菱一号館
用 途 : オフィス、店舗、美術館
所 在 : 東京都千代田区丸の内二丁目6番一号
竣 工 : 2009年4月
敷地面積 : 11,931.79㎡
建築面積 : 8,467.89㎡
延床面積 : 206,212.06㎡
階 数 : 地上34階地下4階
高 さ : 157m
建築主 : 三菱地所
設 計 : 三菱地所設計
写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 建築設計本部開発企画グループチーフプランナー
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)
※)一丁倫敦 : 三菱一号館に続いて二号館、三号館が馬場先通り沿いに建設され、その後、赤煉瓦街は丸の内仲通りにも拡張されることとなる。ロンドンのビジネス街(ロンバード街)に倣ってつくられたこのあたりは「一丁倫敦(いっちょうろんどん)」(一丁は約109m)と呼ばれ、明治44年までには十三号館までの赤煉瓦建築が建ち並んだ。
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