『不動産フォーラム21』 今月の表紙
(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。
『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
((公財)不動産流通推進センターのウェブサイトへ)
2012年11月号 渋谷ガーデンタワー
このところ、渋谷駅周辺があわただしい。「渋谷ヒカリエ」(本誌 7 月
号掲載)の開業に引き続き、渋谷駅そのものを再構築する駅街区の再開
発計画も先ごろプレスリリースされた。渋谷の街は今でもメディアに紹
介されない日はないが、文化・情報の発信拠点としての地位は将来にわ
たりゆるぎないものとなりそうだ。
そんな渋谷の一角で、この6 月に竣工した当ビルは、傾斜したガラス
カーテンウォールと高さ18mのピロティ※)が、ひときわ異彩を放つ。
構造壁に組み込まれた制振部材が地震や風による建物の揺れを軽減す
るすぐれた耐震性能に加え、無停電対応された電源設備や非常用発電機
などの各種の最先端設備も、BCP(事業継続計画)の視点から高く評価
されるだろう。
また、高さ3.0mのガラス面により十分な採光が確保されたゆとりある
オフィス空間は1 フロア約510坪で、貸室面積の合計は約34,000㎡に及び、
渋谷エリアでは屈指である。地下1 階と1 階に設けられた大型多目的ホ
ール「ベルサール渋谷ガーデン」は、流行の発信地・渋谷の立地に相応
しく、都内最大級の規模(総面積約3,700㎡)を誇る。
さらには、敷地の南東側に3,500㎡を超えるガーデンゾーンが整備され、
四季折々の草木がオフィスワーカーや来街者、近隣の人たちの憩いの場
となっている。もちろん、災害時には一時避難場所としても機能するだ
ろう。



物件名称 : 住友不動産渋谷ガーデンタワー
所 在 : 東京都渋谷区南平台16-17
用 途 : 事務所、ホール、駐車場
竣 工 : 平成24年6月
敷地面積 : 約8,056㎡
延床面積 : 約59,375㎡
高 さ : 約121m
階 数 : 地上24階、地下3 階、塔屋1 階
建 築 主: 住友不動産
設 計 : 日建設計
写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 執行役員 事業企画統括部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)
※ピロティ : ピロティ(pilotis)はもともとフランス語で「杭」を意味するが、ル・コルビュジエが近代建築の新しい方法として提唱したことにより、建物の1階部分が壁がない吹放ちの空間になるように建物上部を支持する独立柱、また、こうした独立柱群によって形成される開放的な空間全体をいう言葉として一般化した。
|