『不動産フォーラム21』 今月の表紙
(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。
『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
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2011年6月号 大阪富国生命ビル
大阪駅周辺はここ数年の間にいくつもの新しい建物が建ち上がり、大きく様変わりしている。中でもひときわ目を引くのが大阪富国生命ビルだ。
様々な凸凹で組み合わされたカーテンウォールが、視点や時間の違いにより多彩な表情を演出する。建物全体を「大樹」に見立てたという外観デザインは、フランス国立図書館の設計で有名なドミニクペロー氏による。樹木のような広がりのある低層部から最頂部まで、特異な矩形のフォルムを形成している。
地下2階から地上4階を吹き抜ける奥行き約36m、高さ約26mの大アトリウム※)空間「フコク生命(いのち)の森」も特徴的だ。地下街と連結し防災性能の向上に寄与し、産学連携施設の導入などのその他の公共貢献要素とともに評価され、都市再生特別地区において容積率1,600%としている。ブナの森をグラフィックに表現したガラスフィンの「フォレストウォール」が設置されているこの空間が、建物の中心である。
 

物件名称 : 大阪富国生命ビル
用 途 : 事務所、店舗、学校、駐車場
所 在 : 大阪府大阪市北区小松原町2-4
竣 工 : 2010年11月
敷地面積 : 3,889㎡
建築面積 : 3,008㎡
延床面積 : 68,491㎡
階 数 : 地上28階 地下4階
高 さ : 132m
建 築 主 : 富国生命保険相互会社
デザインアーキテクト : ドミニクペロー
設 計 : 清水建設
写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 土木設計本部開発企画部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)
※)アトリウム : アトリウム(atrium)は、古代ローマの住宅建築で、開口部(中庭)付きの大広間を意味する。また、初期・中世キリスト教会建築では、柱廊に囲まれた中庭を指す。現代建築では、ガラスやアクリルパネルなど光を通す材質の屋根で覆われた大規模な空間のことをいう。吹き抜けになっていて、ホテルや商業施設、オフィスなどのエントランスに設けられることが多い。内部公開空地ともいう。
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